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北へ行く。
真備の口からそれを聞き、諸兄は一筋紫煙を吐き出した。



『カエシタチク』



ジンボータウンからひたすら北へ向かえば何処へ行き着くか。
それを知るにはただただ長い漂流になるだろう。
(オレが担当じゃないときに)
顔には出さず忌々しげに煙を吸い、そうかと一言吐き出す。
そこに巣食うのは自分がついて行けないいらだちだけでなく、
だがちくりと胸を刺す感情の正体が分からない。
ますます気分の悪さが増して、肺には入ってこないのに、タバコの減りが早い。
短くなったそれをつぶし、新しいタバコを出そうと胸ポケットを探る、
その手が真備に掴まれた。

「・・・なんだ」
ちりちりとするいやな気分を鎮めるのに、タバコ以外思いつかずイライラが増す。
『この世から未開をなくす』
自分はそれをなす男だと言っていた、とミツネから聞いた。
確かに真備ならやりかねない。
いや、なせないのかもしれないが、確実に、人の心を動かし世界地図を書き換える。
師匠と同じく、そういう男だ、こいつは。
だからこそ3年前担当に付いた諸兄としては、やはりそれに同行できないのは悔しいことで。
巴とて十分に才能があると思うが、何か物足りない。
そんなことを考えながら真備の顔を見ていたら無性に腹が立った。
「オイ、真備・・・!」

腕を掴んでいた手が一瞬に胸元に移り。
それに反応する前に、真備の顔が近くなる。
ついて、はなれて。
「ぼくは行方不明になんてならないぞ」
誰かに見られてやいないかと、あたりを見渡すことすら忘れた。
目を見開く諸兄に、にやりと真備は笑った。
「どうせそんな心配だろう」
信じろ、と。真備は笑う。

ちりり、いやな気分は先ほどつぶしたタバコの火のように、消えていった。
(ったく、こいつは)
漂流の中で見るだろうすべては、いつか漂流録によって余すことなく知ることが出来るだろう。
軽くなった気分の中。
「こんなとこで何しやがんだ」
諸兄は思い切り真備の腹に蹴りを叩き込んだ。



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最終回で妄想
真諸は始終こんなんで作家が編集甘やかしてればいいよ…!